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リィンには二人の兄がいる。
長男マクバーンと次男クロウの二人の兄。血の繋がりはないけれど、リィンにとってとても大切な家族だ。
二人の兄とどういう経緯で兄弟になったのかはあまりに幼かったため覚えていないリィンだが、二人の兄が色々と面倒を見てくれたり遊んでくれたりしてくれたおかげで寂しいと感じたことはない。
マクバーンはリィンからしても謎すぎるところが多いが、何不自由なく暮らしていけているのはすべてマクバーンのおかげだった。生活費などは全部マクバーンが出してくれているため、何かしら仕事はしているとは思っているが、詳しくは聞いたこともなく、おそらくこれからも自分からは聞くことはないだろうと思っている。
クロウは大学生なのだが、不真面目なところがあり、放っておくとサボっていたりと色々と頭が痛くなるのだが、大学は何が何でも卒業するとリィンと約束をしていた。高校のときに卒業が危ぶまれ、リィンが真面目に行かないとご飯抜きと言い放ったことでそれだけは勘弁してくれと、残りの期間で色々あったがなんとか卒業できたのだ。
末っ子であるリィンは高校生で、朝は結構早い。家事担当で三人分の朝食にお弁当を作るというのもあるが、毎朝何かがない限りはトレーニングをするというのが日課なのだ。たまにマクバーンやクロウが相手をしてくれるが、勝てた試しはない。
(マクにぃもクロウにぃも強すぎるんだよな……。やっぱり体格かな?)
マクバーンもクロウも体はがっちりしているが、リィンはそうではない。どちらかというと細身だ。
二人の兄はリィンが得意な部分や不得意な部分を的確にアドバイスしてくれるので、助かっている。
時計を見るとそろそろトレーニングを止めて朝食を作らないといけない時間になっていた。いつものようにシャワー室で汗を流しスッキリしたあとに朝食を作ろうと思っていたら、珍しくクロウが起きてて朝食の用意をしていた。
「クロウにぃ?」
「よ、おはようさん」
「クロウにぃが起きてる……珍しいな」
「今日は早くに目が覚めちまってな。だから朝ご飯もこうして作っておいたんだ。弁当も作っておいたぜ」
「あ、ありがとう」
久しぶりにクロウが作ってくれたお弁当も受け取る。
今はリィンが作ることが多いが、昔はよくマクバーンが自分たちにご飯作ってる横でそれを見ていたり手伝ったりしたものだ。クロウもたまに作ってくれた。二人ともリィンが作った料理を美味しいと言ってくれるが、自分にとっても兄二人が作る料理が好きで美味しいので、今でもたまに作ってくれるのがとても嬉しいと思ってしまうのだ。
「リィン、マク兄起こしてきてくれ」
「ん、わかった」
今日もいつもの日常が始まる──。
サイト掲載日 [2018年12月30日]
© 2018 唯菜
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