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 リィンはエプロンをして兄二人と自分の朝食を作っていた。
 手慣れているため、次々とテーブルに料理が並んでいく。
「よし、後は二人を起こしてからだな」
 リィンはエプロンを外してから、それぞれ自室で未だに寝ているであろう兄を起こしに部屋へと向かった。

 ドアをノックするが、いつものように返事がない。やっぱりと思いつつひとこと言いながらドアを開ける。
 部屋に入るがやっぱり部屋の主は未だ夢の中なのか、寝息が微かに聞こえてくる。
 その人物を起こすように身体を揺らしながら声を掛ける。
「マクにぃマクにぃ、朝だから起きてくれ。朝ご飯用意してあるぞ」
「んぁ? あ~……」
 マクにぃと呼ばれた人物は反応は示すが、まだ眠そうだった。
 だがリィンはよく知ってる。自分が作った朝ご飯のために起きてくれることを。だからこのままでも起きてくるだろうと思い、ひとこと言いながらその部屋を後にし、隣の部屋の同じようにノックして部屋の中に入る。
 やはりというか、こちらも未だ夢の中らしい。
「クロウにぃ、朝だぞ! 今日大学はいつからなのか知らないが、起きなくていいのか?」
「あー……」
 こちらも反応が薄い。
「朝ご飯用意してるから、起きてくるんだぞ?」
 そう言いながら部屋から出る。
 二人の兄が起きてくるだろうと予想して、味噌汁を仕上げてテーブルに置いていく。すべての工程が終わったぐらいに二人の兄が眠たそうに起きてきて、それぞれの席に座り、リィンも同じように自分の席に座る。

 この風景がいつまでも続けばいいなと思いながら、リィンはいつもの朝に幸せを感じていた。

サイト掲載日 [2018年12月2日]
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