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母の日

 今日は珍しく、クーリオの方から外に出て買い物がしたいと言い、ママにはナイショだからと俺と一緒に花屋に来ていた。
「リオ、どれにするんだ?」
「えと…えとね……。カーネーションあげたいの…ママに……」
 そう言われて、今日は母の日かと思い出す。
 クーリオは自分の財布を覗いている。手伝いをしてお小遣いをためてたのは知っていたが、このためか。
「リオ、パパと一緒にお金出しあって買うか」
「パパも買うの?」
「あぁ、だからリオと出しあって買って驚かしてやろうぜ」
「うん!」
 そう言うとにこりと笑うクーリオを撫でてやる。
 店員にある程度伝え、見繕ってもらう。
 クーリオが持っていた自分の財布から入ってただろうミラを取り出して俺に渡してくる。
「あまりないけど、足りる?」
「あぁ、大丈夫だ。パパと半分こだから、半分でいいぜ」
「……いいの?」
「あぁ」
 出してきたミラの半分をクーリオの財布の中に戻してやる。
「残りはいつか必要になる時まで取っておけ」
「うん!」
 クーリオを撫で、店員が綺麗に包んでくれた花を受け取る。
 クーリオが持つと言って渡したが、花が大きくて上手く持てずに早々に断念した。それでしょんぼりしたクーリオを抱きかかえ、花を持たせる。
「これならリオも持てるだろう?」
「えへへ、パパ、ありがとう」
 嬉しそうに笑うクーリオに笑顔で返してやる。
「それじゃ、そろそろ帰るか。ママきっと喜ぶぞ」
「喜んでくれるかな?」
「喜んでくれるさ」
 その後、野菜が食料品を少し買い終え、家へと戻った。
 クーリオが帰ってすぐにリィンに買った花をプレゼントしていた。
「ありがとうな、クー」
「ママ、いつもありがとう。パパもありがとう」
「クク、どういたしまして」
 リィンとともにクーリオを抱きしめる。
 こんな未来なんて考えてもいなかったが、お前らがいるだけで俺は幸せだ。
 ずっと、この幸せが続けばいいと思ってしまう。
サイト掲載日 [2015年5月11日]
© 2015 唯菜
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移転:2017/06/17
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