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俺が寮の自室で今日習ったところの復習をしていると、部屋にクロウがノックもせずに入ってきた。
「クロウ?」
クロウは何も言わずに俺のベッドに横たわった。
「どうしたんだ、クロウ?」
「なんでもねぇ……」
そう言っている割には元気もなく、心配になる。
またお人好しだとか言われるだろうが、俺はクロウの横に腰を落とした。
「何かあったのか?」
おそらく答えてはくれないだろうと思いながらも聞くが、やはり返ってくるのはさっきと同じ答え。俺はしばらく考え、クロウの頭を撫でた。
「あの…リィンさん? 何やってるんでしょうか?」
「こうすれば、クロウも嬉しいかなとか思って……」
クロウは起き上がって、深い溜息をついた。
そして苦笑して、今度はクロウが俺の頭を撫でてきた。乱暴に。
「ク、クロウ!?」
「本当に何もねぇよ。ただちょっと疲れただけな?」
そう言って抱き締められる。
「クロウ……?」
何故抱き締められているのか分からないけど、聞いても答えは返ってこない。それどころか、抱き締めている力が強くなっているのはきっと気のせいではないだろう。
この体制はきついものがあるが、クロウに抱き締められるのは嫌じゃない。
「お前が気の済むまで、こうしてればいいさ」
そう告げるとクロウは苦笑する。どうせお人好しだとか色々と思っているだろうな。
俺はクロウの背に手を回し、クロウが気の済むまでこの状態で過ごした。
pixiv [2014年1月26日]
© 2014 唯菜
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